映画奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガールをカップルで観に行った彼女の方の感想|ゆるふむログ ゆるふむログ: 映画奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガールをカップルで観に行った彼女の方の感想

2017/09/20

映画奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガールをカップルで観に行った彼女の方の感想

短い時間でもリフレッシュさせてくれる映画って身近な娯楽ですよね。
今回は映画のレビューです。
9/16に公開された「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」を観てきました。




渋谷直角さんの漫画が原作の映画で、モテキやバクマン。の大根仁監督の最新作です。
(映画化に際して新しいエピソードを加筆したコミックも発売しています)


私の行った回は、男女比半々くらいで、結構カップルもいました。

ただ、観て本当に途中きつかったので、
ラブラブなサブカルカップルのデートムービーではないと警告したいです。
気心知れてない付き合いたてカップルが観に行ったら気まずくなるかも?

ネタバレをしないようにこの後の文章も書いたのですが、

30歳過ぎて、振り回される恋愛をした人、今の恋愛に全力で向き合っているつもりだけど過去にめっちゃ引きずるような内臓抉られる恋愛をした人に見てほしい映画です。それだけを伝えたいだけの文章です。

これから先は観る方の参考になれば。


※文章を選択して反転させるとネタバレができるように加筆しました(2017.9.25加筆)




ざっくりどんな物語かあらすじ




MALETという雑誌の編集部に異動になった主人公・コーロキ(妻夫木聡)の成長の物語です。ラブコメと宣伝されていますが、かわいい女の子を追いかける大根監督のモテキのようなラブコメよりはえぐい系だと思って覚悟してほしいです。
(MALETは架空の雑誌ですが、スピンオフマガジンもでています!そのあたり出版関係の映画らしいですね。こちらは冒頭は本当に猫特集ですが、半分以上は映画のビジュアルムックでした)

また、大根監督らしく、途中で自分の雑誌連載記事が劇中ちらりとでてくる場面があったり、ファンはにやりとする要素が相変わらず多いです。



ざっくり物語のネタバレ 以下、選択して反転すると読めます↓

MALETに異動になったコーロキが初めての打ち合わせで出会うのがヒロインです。
そこですぐに一目ぼれしてしまい、先輩の出張の間だけ仕事を代行することになります。
仕事を進める中で彼女の魅力に溺れていき、DV癖のある彼氏から守りたい!と勢いに任せて告白をし、その勢いでホテルへ。

そこからふたりの交際は始まります。



ここまでネタバレ↑



話の筋は置いておいて、こんな人には向かない映画です。

(カップルで観に行った彼女はこんなこと気まずい気持ちを抱えながら観ていました)



結構、感想が分かれる作品なのですが、モテキのノリで観ると衝撃を受ける作品だと思うので、向かない人をまとめてみます。

人がベタベタ濃厚にキスしたり、いちゃついてるの見るのが苦手な人はきつい。
下着姿やセクシーな感じのシーンが多めなので気をつけて。

ここまでですでにカップルで見るには気まずい要素しかないですね…
モテキファンが観に行ったら、今回は結構早々からそういったシーンが多いので、びっくりするかもしれません。
映画の後、そういう雰囲気に持っていきづらくなると思うので、カップルで観るなら彼氏は覚悟して彼女を誘いましょう。彼女目線でいうと、彼氏がどういう気持ちでこれを観ているのかソワソワしてました。


こういうシーンがあるのでしんどいというネタバレ 以下、選択して反転すると読めます↓

何が気まずいって、ディープキスしすぎだし、ちゅっちゅ声も漏れながら絡んでるものだから、耐性がないときついです。
しかも序盤からラストまで定期的にそういう感じになります。
これから致すんだろうなってところから事後的な表現もあるし、その後、リアルデートでそういう雰囲気になる高まる映画というより引く可能性の方が高いです。

ここまでネタバレ↑









水原希子がかわいいから見たい!という女性は同性として辛いかも…

結構女同士で観に来ている方も多かったのですが、ベタベタしてるのもそうですが、男を蠱惑的に翻弄するキャラなので盗めるところもあるとは思いますが、天海あかり(水原希子)はそれだけのキャラではないです。

あざといのが嫌いだったり、奔放なところに苛立ったり、男のあかりを見る目線にげんなりするかも。かわいいだけ堪能したいなら、スタイルブックがでているので、それだけ眺めてるのもありだと思う映画かも。

あと、登場人物に天海祐希がでるっぽくなっていますが、一瞬あかりの上司としてでてくるだけです。ファンの方は注意してください。



あかりの性格や行動のネタバレ 以下、選択して反転すると読めます↓

浮気性というか小悪魔というか、自分に脈がある男を振り回します。
時には都合よく利用します。
あと、すぐ肉体関係を持ちます。

そんな色目使いまくりぶりっ子な媚売りシーンとかもあって、ある意味男を転がし上手だと思うのですが、もうどんな男でもいいのかよってなります。
個人的におじさんの耳元をなめるシーンきついです。



ここまでネタバレ↑


 

大根監督の過去作品モテキみたいにヒロインがかわいい!で終われる感じの映画ではないので、注意してほしいです。
えぐい部分の濃度がモテキより濃いです…

彼氏は女の怖い部分を垣間見て疑心暗鬼になってないか不安になりました。


ネタバレ 以下、選択して反転すると読めます↓

彼氏は、少しだけでてきた女子会の時のあかりの変貌ぶりにドン引きしてました。
あかり自身が、周囲に求められている自分を常に演じているキャラなのでそうなるのも仕方ないのかもしれませんが、ギャップが男の人からはきついみたいでした。
またラストは3股(否、被害者はもっといたのではないかと思うのですが)3人の男を全員振り回して失踪してしまうので、みんなで化かされていたような気分になって終わるラストです。誰かとあかりがくっつきそうなラストでもないので、あかりが小悪魔で嫌なやつだった印象が強い気がします。

ここまでネタバレ↑


こんな人にオススメの映画です。


酷評している人が上記のような要素を知らないまま観に行くからギャップで観てられなくなる映画なのかなと思いますが私はもう一度観たい、もしかしたらブルーレイやDVD買うかもと思う作品だったので、推したいです。


本当に、どうしようもなく魅力的な人を捕まえたくて捕まえられない、そんな恋愛をしたことがある人にオススメです。

昔の恋愛の失敗を乗り越えさせる、救ってくれる映画だと私は感じました。

出会う男すべて狂わせるガールなので、ヒロインに翻弄され、大変魅力的なあかりに時には何だこの女となるんだろうなということが、もう見なくてもわかると思うのですが、最後の1曲を聞くためだけに観てほしいです。

最後の独白に全てが詰まっている映画です。
そしてそれを表すような曲を過去に奥田さんは作っているという。


途中の過激なシーンでげんなりしてしまった人には気持ち悪いだけの映画だと言われたり、途中が消化不良な人は何で奥田民生になりたかったのか全然わからないなんてことが感想になって叩かれてるみたいですが、憧れの生き方が誰であれ大根監督のあのまとめ方と選曲は秀逸だと思います。後味悪いままで終わらせない、奥田民生をすごく好きなわけじゃなくても歌詞が滲みてきました。

全てを回収していく、あの映像を選曲を大音量で大きなスクリーンで体験してほしいです。

私は、過去の恋愛と重ねて、今頑張っている自分とコーロキの成長を重ねてしまって泣けてきました。
こみあげてくるものは、思い出した辛さとか切なさよりも、やってやる辛くてももっと今を楽しんで頑張ろうという気持ちでした。

私は奥田民生さんの楽曲をTVでも聞くくらいで、ちゃんと聞いたことがありませんでした。
それでもあの曲が流れた瞬間、一瞬で好きになり、奥田民生みたいに、それを目指すコーロキみたいになりたいと思わされてしまいました。

一般に今奥田民生になりたいボーイなんているのか何てツイートが出てきてますけど、見ればなりたいボーイになる気がしました。

どうしようもなく手に入れたかった人がいた人、失ってしまったけれど、引きずる暇もなく仕事している人が前に進む力をくれる作品だと思います。

結末ネタバレ 以下、選択して反転すると読めます↓

最終的に、あかりは編集部の3人の男を振り回すだけ振り回して、誰も本命ではないといって消えてしまいます。
そのくだりで傷害事件が起こるため、MALET編集部は廃刊解散になります。
その後数年後のコーロキは成長し、事件と関わったため別名義で活動、ライターとして成功し有名になります。

過去に担当していた、美上先生(安藤サクラ)のパーティに呼ばれ、そこで紹介された女性から憧れの存在として文章読みました!と言われたり。
また、次の仕事があるからとさっそうと帰ろうとするときも美上から食事について聞かれるシーンのやりとりのニュアンスから付き合っている感じでした。

私がとても響いたのは、このパーティでは食事ができなかったけれども立ち食いそば屋で食事を済ませようと食べようとしたシーンで、ラジオから奥田民生の「カスタム」が流れるところでした。

過去の自分を思い出し、最後にあかりが残した「相手の望む自分を演じている」ということ、実践した結果、コーロキもまた仕事において成功をおさめたという独白に入ります。

そば屋をでると、道路を挟んだ向かいに、外国人セレブ?なイケメンに連れられゴージャスに着飾ったあかりとすれ違います。これは過去に編集長も見たことがあると言っていたあかりの姿の伏線で、編集長はそれを見て見返してやるという気持ちでがむしゃらに働いてMALETを軌道にのせたというエピソードとダブりました。

その後は成長前のコーロキが海をひたすらもがきながら泳ぐという映像の中カスタムが流れてスタッフロールが流れます。

このラストが仕事頑張ろうという気持ちになれるので、カスタム一曲を聞きたいために何度も見たい映画になりました。

ここまでネタバレ↑





デートで観に行くなら、隣にいるその人が自分の横にいることでいつかのあの人が羨むように誇らしく手をつないで歩けますように。

まだ横に誰もいない方には、いつかのそいつに惜しいやつ逃しちゃったと思わせられるくらいの恋愛をこれから迎えに行けますように。


胸がいっぱいになって書いたレビューを最後まで読んでいただきありがとうございました。



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